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補聴器のラビット 

ラビット通信 2024年11月号

 2024年11月

ノイズキャンセリングとは

補聴器を調整していると、良く言われることがあります。

「周りの音は全て消して、相手の声だけを聞こえるようにしてほしい。」とおっしゃいます。

適正に整えると補聴器からは雑音もハウリングもしません。周りの音も健聴者が聞いている程度の音です。でも、長期間、聞こえないまま過ごしたために耳が音を選別を行う事が難しくなっているのです。少しずつその選別機能を動かして、後ろからくる車に気づけるようにしたり、音でエアコンを消し忘れに気づいたり出来るようになっていくところから聞こえは始まっていきます。

今、イヤホンや携帯電話にはノイズキャンセラーという機能があります。これは低周波の音を打ち消す波が発生し音楽以外の音を打ち消す効果があります。この機能は、例えば電車内で音楽を聴く人は、無意識のうちに電車の音100デシベル近くの大きな音に打ち勝つそれ以上の音にして音楽を聴いてしまいヘッドホン難聴に若い内からなってしまう人が増えたため出来た機能です。この機能自体は安全とされています。

低周波の音を打ち消す波が発生させて音を打ち消す効果を行うので、気圧による「ズレ」が生じる事があります。大部分の方は、多少ズレたとしても上手く調整できますが、一部の方は適応出来ずに、長時間使用することで「頭痛や気持ち悪さ」として症状が出ることもあるそうです。これに対しての治療法は特にありません。使い続けると適応し慣れてくる場合もあり、一時的な可能性があります。しかし、これは無理をしている事の結果と私には感じます。また本来、人間の耳に備わっている音を選別する力が、失われてしまわないかと不安を覚えます。現実にノイズキャンセラー機能が付いた正式な補聴器は今まで見かけたことがありません。念のためメーカーさんにノイズキャンセラーが付いた補聴器を作ることはあるのでしょうかと質問をしてみました。「補聴器はイヤホンでは無い為、イヤホンで使用する程のノイズキャンセラーまで音を消す機能をお付けすることはないと思います」というお返事でした。(補聴器にも風切り音や機械音は消す機能が付いています。不自然に生活音を消す機能が付いていないという意味です)

  1. 反騒音の影響

    : ノイズキャンセリング技術は、外部の騒音を打ち消すために反騒音を生成します。この反騒音は、外部の音の波形とは逆の波形を持ち、これにより騒音がキャンセルされます。しかし、この反騒音が耳の鼓膜に微細な振動をもたらすことで、一部の人々は圧迫感や疲労を感じることがあります。

  2. 不自然な静寂

    : ノイズキャンセリングによって生じる静寂は、都市部など騒音の多い環境に慣れている人々にとっては不自然に感じられることがあります。この突然の静けさは、一部の人々にとっては違和感や疲労の原因となることが考えられます。後方から来る車に気づきにくい、危険を知らせるサイレンなどにも気づきにくい事が考えられます。

  3. イヤホンのフィット感

    : 人々の耳の形は異なるため、ノイズキャンセリングイヤホンが完璧にフィットしない場合があります。特に、シリコン製のイヤーピースが耳の穴に合わない場合、圧迫感や疲労を感じることがあります。

 

出典 参考 : ノイズキャンセリングの安全性と危険性【医師執筆】 | Hacksoku

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